Apr 30, 2024
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直近でPMの見積もりを行う機会があったので、その際に参考にした資料をまとめる。
こちらの参考書をもとに見積もりの方法をまとめる
見積もりは工数を前提で作成していく。 工数が精度が荒い「概算見積もり」と、精度の高い「詳細見積もり」を段階的に提示していく必要がある。
不確実性が多い段階で提出する見積もりのこと。 この見積もりを作成する時には、以下の内容を明記しておくことが重要。
また、概算見積もりを作成する時には、バッファを見込んで作成する。追加予算が発生した時に、調整が大変になる可能性がある。
不確実性をかなり潰した状態(要件定義や設計が完了した状態)で提示する見積もり
Ex)ECサイトの場合、画面数や機能の詳細が明確になっている状態
見積もりの一番失敗しやすいパターンは、定例会議なので口頭のみでざっくりと見積もりを提示すること。 かならず持ち帰って見積もりを実施すること大事。
今回かの正しい手順に関しては、ボトムアップ見積もりをベースにしている。
ボトムアップ見積もり
成果物や作業を分割してそれぞれの構成要素の工数を算出して、積み上げて全体の工数を見積もる方法。
誰が何をするかを明確にし、メンバーのタスクレベルを落とし込む。 以下のルールを則り、見積もり表を作成していく
項目 | 工数 | 費用 | |
---|---|---|---|
1 | トップ画面 | 5 | 250,000 |
2 | ログイン画面 | 3 | 150,000 |
3 | マイページ画面 | 5 | 250,000 |
4 | 記事画面 | 10 | 500,000 |
5 | インフラ構築 | 15 | 750,000 |
6 | データベース設計 | 15 | 750,000 |
… | … | … | … |
28 | マネジメント工数 | 30 | 1,500,000 |
29 | テスト工数 | 15 | 750,000 |
工数が入力すると、その人の1日あたりの単価をかけると、費用が算出できる。 こうすることで、提示された側からみても「明朗会計」になり、信頼しやすくなる。
プロジェクトバッファとは、予想外の事態が発生した時に追加になる工数のことを指す。 これを見込んでおかないと、想定外の工数が発生した時に、追加予算を取るのが難しくなる。 プロジェクトの特性によるが、1.2 ~ 1.5倍のバッファを見込むことが一般的。 やることが明確でリスク低めのプロジェクトなら1.2倍、不確実性が高いプロジェクトなら1.5倍を見込む。
工数を出したらそれをスケジュール上に可視化する。 「誰がいるどれくらいプロジェクトで稼働できるか」を把握して、スケジュールを作成する。
1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | |
---|---|---|---|---|---|---|
プロジェクトマネージャー | ⚪︎ ︎︎ | ⚪︎ ︎︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | 240時間 |
デザイナー | ⚪︎ ︎︎ | 80時間 | ||||
ソフトウェア | ︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | 160時間 | ||
テスター | ⚪︎ ︎︎ | 40時間 |
見積もりを提出した後には、予算取りやスケジュール調整にも使われることがある。そのため、提出後は適切に利用されることを想定しておく。
たとえば、提出した見積もりは社内決裁権のある人に突っ込まれた際に、きりんと説明できるようにしておく必要がある。
そのために、積み上げ式で作成しておく必要があり、スケジュール調整の都合上、どのタスクを削るかの判断もできるようになる。
今の案件の見積りでも、人日単位で計算していたので概ね合っていた。 ただ、プロジェクトバッファ係数の考え方は考慮できていない部分もあったので、参考にしていきたい。
プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本 交渉・タスクマネジメント・計画立案から見積り・契約・要件定義・設計・テスト・保守改善まで